PPSU

PPSUの特徴

PPSU樹脂(ポリフェニルサルフォン)は、非晶性スーパーエンジニアリングプラスチックであり機械特性、耐熱性、耐スチーム性、耐薬品性などにおいて諸特性のバランスに優れています。スーパーエンジニアプラスチックの中でも数少ない透明性を有しています。

また、蒸気による滅菌、殺菌処理(オートクレーブ)をはじめ、各種滅菌耐久性が高い材料です。PSU(ポリサルホン)樹脂よりも滅菌耐久性は大きく向上しますので、繰り返しの滅菌処理用途に使用されます。このように優れた特性を活かし医療機器用途や食品関連機器ののぞき窓等に御検討いただけます。また透明性を活かし配管内の流動の挙動を確認するための配管用途などとしても導入が検討されております。

PPSU(ポリフェニルスルホン)の特徴

PPSUの特徴には次のようなものがあげられます。

■メリット

  • 耐加水分解性が高い
  • 衝撃性・靭性が高い
  • 透明性が高い
  • 耐薬品性が高い
  • 食品衛生法に適している

■デメリット

  • 耐溶媒性が低い
  • 耐紫外線性が低い

PPSUの最大の特徴は、耐加水分解性が高いというところです。吸水性も低いので、高温のスチーム滅菌処理であってもひび割れなどが起きません。PPSUの連続使用温度は180℃、ガラス転移点が218℃となっており、高温のスチームに長時間さらされるような環境でも安心できる性能を発揮してくれます。

耐衝撃性・靭性においても優れた特性を持ち、その強度の高さは警察のシールドにも採用されるPC(ポリカーボネイト)よりも優れています。透明樹脂の中では最も優れた耐熱性と強度を持っているため、繰り返しの高温滅菌耐性や信頼のおける強度を求められる医療分野ではPPSUが活躍しています。

PPSUは食品衛生法にも適しており、食品容器などにも適しています。煮沸滅菌する必要のある哺乳瓶の瓶にもPPSUが採用されるケースがあります。

また、耐薬品性が高く、オイルやガス、酸などにも優れた耐性を発揮します。加えて、ガンマ線やX線などの放射線に対しても優れた耐性を持つのが特徴です。ただし、強い酸には侵されます。その他、ハロゲン化炭化水素、芳香族系の溶媒、エーテル、ケトンなどには侵されるの注意しましょう。

放射線に対して優れた性能を発揮する一方で、PPSUは紫外線に対しては弱くなっています。そのため、紫外線が多く降り注ぐ屋外環境での使用には適しません。

PPSU(ポリフェニルスルホン)の利用用途

PPSUが使われる場面は、医療用途が圧倒的に多くなっています。PPSUは食品安全性も高く、患者との接触がある製品であっても問題なく使用が可能です。また、透明性を活かし、内部の状態を把握する必要がある製品でもPPSUがよく利用されます。

具体的な医療用途では、

  • 滅菌用コンテナ
  • コネクタ類
  • 内視鏡部品
  • メスの取っ手

などがあげられます。

他にも耐スチーム特性をもつプラスチック材料もある中で、PPSUが医療現場で好んで使用されるのは、万が一強い衝撃を受けたとしても破断しないからというのが理由のようです。最近では、割れにくさと軽量さ、洗浄のしやすさから、学校の給食用食器や哺乳瓶としても利用されるようになってきています。

その他、医療機器や食品関連機器のぞき窓にガラスの代わりとして採用されたり、高い透明性を活かして内部の様子を確認できる配管用途としても利用されています。

PPSU(ポリフェニルスルホン)の切削の注意点

PPSUは耐スチーム特性に優れているため、クーラントは水溶性、非水溶性のどちらでも利用できます。芳香族系の溶媒などでの洗浄を行わなければ問題ありません。刃物はすくい角の大きいシャープエッジの物を利用したほうが、良好な仕上げ面を得られます。

 

 

PPSUの用途

  • トレイ、内視鏡部品
  • ガラス窓代替ののぞき窓
  • 哺乳瓶、ラインカバー

など

主要産業分野

医療器具
製造装置・機械産業
食品関連
FDA、UL、NSF、厚労省の各規格に適合しており、医療用、食品用など高い安全性を求められる分野に適しています。

PPSU切削加工サンプル

PPSU切削加工品
①ケース:150×24×10t
②蓋:150×24×5.5t
③メス取手:135×12×5t

PPSU切削加工品

 

技術資料

PPSU樹脂 耐薬品性早見表

ポリフェニルサルホン(PPSU)は、サルホン系樹脂の中で最も高い性能を持ちポリサルホン(PSU)やポリエーテルイミド(PEI)よりもすぐれた耐薬品性を示します。

有機化合物 
アセトン×
イソオクタン
イソプロピルアルコール
エタノール(96%)
エチルエーテル
塩化メチレン×
クエン酸水溶液
酢酸ブチル
四塩化炭素
トルエン
ベンジン(C5-C12)
ベンゼン
ホルムアルデヒド30%水溶液
メチルアルコール
メチルエチルケトン×
無機化合物
塩化ナトリウム(10%食塩水)
無機酸 
塩酸(36%水溶液)
希塩酸(2%水溶液)
酢酸(10%水溶液)
酢酸(5%水溶液)
濃硫酸(98%水溶液)×
希硫酸(2%水溶液)

○ 耐薬品性あり
△ 注意して使用する
× 耐薬品性なし

※上記表は一般的な傾向であり、使用条件により耐性が異なることがございます。実際のご使用に際しては、客先にて耐薬品性の試験を実施されることをお奨めいたします。

繰り返し蒸気滅菌後の耐衝撃性比較

蒸気滅菌繰返し後の衝撃試験
蒸気滅菌繰返し後の衝撃試験
⇒132℃ 30分を繰り返し処理
1.5mの高さから落下させても割れない
10回繰返し処理後のボトルを使用水で満たしコンクリート床に落下
PPSU樹脂が持つタフさ

・蒸気滅菌処理による耐衝撃性変化
処理前:PES≦PSU<PPSU=PC
処理後:PC<PES<PSU<PPSU

物性比較

試験項目ASTM試験方法単位PPSUPSUPEEKPEIPC
オートクレーブ耐久性(132℃、30分、50ppm モルホリン添加)回数>2000<100<2000<100<10
引張強度D638Mpa70709810461
破断時引張伸びD63860-120>6060140
曲げ強さD790Mpa9110617016390
曲げ弾性率D790Gpa2.42.74.23.42.2
アイゾット衝撃強度 (ノッチ付)D256J/m690698553880
荷重たわみ温度D6481.82Mpa/℃207174152200133
連続使用温度260115
吸水率D5700.370.30.50.250.2
耐薬品性
FDA適合性
透明性×
比重1.31.241.321.271.2
物性比較表

 

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